4.1
2019
九段中等教育学校に牧野敦新校長がご着任

牧野校長先生は、2010年4月~2013年3月に九段中等教育学校副校長をされており、今回2回目の九段勤務で校長ご就任となった。今年度、菊友会創設90周年を迎えることを祝して、牧野校長先生が菊友会報第103号に寄稿された。
菊友会90周年を祝して──校長着任のご挨拶
千代田区立九段中等教育学校長 牧野 敦
菊友会創設90周年を心よりお祝い申し上げます。
今年度九段中等教育学校長を拝命いたしました牧野と申します。ここ九段には副校長としてお世話になっており、7年ぶりに校長として戻ってまいりました。菊友会の90周年と令和の幕開けの年に再び九段にお世話になることに並々ならぬ御縁を感じる次第です。
着任に当たり、始業式において「至大至剛」の話をしました。「『至大至剛』は本校の校是である。校是とはその学校の根本精神を指し、教育目標とは異なる。精神なので実体は伴っていないが、九段の同窓生の心には、何よりも確かなものとして存在している。先輩方は人生の苦境にさらされたときは至大至剛の精神で立ち向かい、人生の岐路に立ったときは至大至剛の精神に問いかけ、決断してきた。 九段生にとって至大至剛とは、艱難にあったときに行く手を照らしてくれる支えとなっている。しかし、誰に対しても慈愛を発揮してくれるわけではなく、九段において己を十分鍛え上げたものにしかこの精神的支柱が据えられることはない。あなたがたは本校に入学してこれまで、この精神と向き合ってきたか。」
一口に90年といっても、同窓生の多くが同じ言葉を共有し、同じ体験を共有してきた歴史をもつ同窓会は他に類を見ないでしょう。卒業後何年を経て再会したとしても、瞬時に記憶を共有できる、これが菊友会の一番大きな特長だと思っています。
7年ぶりの九段は変わったところもたくさんありますが、他人を思いやり切磋琢磨する生徒の気質や、それを全力で支えようとする熱心な先生方が多いところは全然変わっていません。「予測不可能な社会」と呼ばれる現在ですが、そんな社会に機敏に対応する力は、むしろ本校の生徒や先生方のこういった特質や、本校の校是がもつある種の普遍性によって培われるのではないか。こんな思いをもって教育活動に取り組んでいく所存です。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。